※平行ニコルの顕微鏡写真:全て偏光の振動方向は画像の左右方向(⇔)

パイロクロア  pyrochlore (Na,Ca)2Nb2O6(OH,F)   戻る

等軸晶系  等方体  n=1.9〜2.2程度

色:濃〜淡の褐色で,赤味・黄味・緑味を帯びるものなどがある。

形態:8面体の自形の断面の6角・4角形など,不定形粒状。

へき開:8面体方向(4方向)に不明瞭で,認められないことも多い。

双晶:認められない。

累帯構造:Na⇔Ca,(Na,Ca)⇔希土類,(Na,Ca)⇔U4+,(Na,Ca)⇔Th,Nb⇔Ta,Nb⇔Tiなどのさまざまな置換が起こるが,光学的にはあまり認められない。

産状:カーボナタイト中に,方解石・磁鉄鉱・黒雲母・リン灰石・金雲母などとともに8面体自形の断面の6角・4角形,不定形粒状をなす。かなり粗粒で数mm以上に達するものもあり,これを多く含むカーボナタイトは重要な希土類やニオブ資源。
閃長岩質ペグマタイトにも粗粒でまとまって産することがある。

※平行ニコルではペロブスカイトに似るが,パイロクロアはクロスニコルで複屈折を示さず集片双晶も認められない。




カーボナタイト中のパイロクロア  平行ニコル 
ドイツ カイザースタール
Pyc:パイロクロア,Cal:方解石,Mt:磁鉄鉱,Pg:金雲母

8面体の断面の4角形や不定形粒状をなす。
なお,カーボナタイト中の金雲母はこのように鉄に乏しく淡黄〜無色で多色性は弱く,一見して白雲母と紛らわしい。